……へ?



「好きだっ、友紀…。俺、ずっと、お前の事……好きだった」




……か、カズにい…?

『なっ、…何言ってんの…?』

「好きなんだよ。ずっと前から、亜優とお前が出会う前から…、春から」




…春?

あたし達が、出会った頃?





『市川君、だったよね?』

「お、おう。市川…一弘」

『とーさんっ、カズにいでいいかなぁ?』

「いーねー!カズにい!あははは」

「カ、カズにい?」

『うんっ!カズにい、ダメかな?』

「いや…いいよ」

『良かった!あたしは橘 友紀!友紀って呼んで!』

「おう……ゆ、友紀」


『うん!よろしくねっ!』





春の回想。




気付かなかった。

ほぼ1年。

ずっとずっと、近くで…。



「友紀!」そう笑いかけてくれたカズにい。

「大丈夫かー?」いろいろ心配してくれたカズにい。






「……友紀…」

こんな切ない声を聞くのは初めてで、戸惑う。


どうしようもなく、愛を感じた。

このまま抱きしめてしまおうかと思った。







でもきっとそれは



―――――――――――――違うんだ。