「…俊介の言葉を聞いてね、やっぱショックだった」
ショック………
悲しむ亜優の姿が目に浮かんでしまう。
「でもね――――あたしも…、これが本当の恋と思えなくなってたのかな。ただ自分が愛することだけ許されてればいい…なんて。誰かを愛したかっただけなのかな。なんて思えちゃってね」
えへ、と笑莉が笑った。
少しずつ、少しずつ不安になっていく自分が分かる。
あたしが重ねているのは、俊介君。
いつかこう、亜優を裏切ってしまうんじゃないか。
なんで、そんな不安に陥るの？
愛してよ、亜優を。
好きなんでしょ？亜優が。
質問する自分と
当たり前だよ。うん、好きだよ！
答える自分と
そう言い聞かせないとそう思えないの？
本音をいう自分がいるんだ。
