「あのね、別れちゃったっ」
「「『………え?』」」
in純香の家。
突然発言は、笑莉の言葉。
『…しゅ、俊介君と?』
「……早過ぎ、だよねっ…」
エヘ、と笑う笑莉。
全然笑っているように見えない。
「…どっちから?」
菜喜があまり表情を変えずにそういう。
それでも菜喜は、笑莉の事心配そうに見ている。
「…俊介からっ。見事に、フラれちゃったっ!」
笑莉のクセ。
語尾に「っ」がつくこと。
左手でうなじの辺りを、カリカリとかくこと。
困った時や、戸惑った時。
………泣きたいのを我慢してる時。
「笑莉!!」
本人の自覚の無いクセ。
菜喜、純香、あたしだけの秘密。
それを感じ取った純香が、笑莉を抱きしめた。
「………すみかぁっ…」
抱きしめられた笑莉が、ボロボロと泣きだした。


