5分位経ったかとおもって時計をみると1時間経っている。
まだまだ、もっといっしょにいたいのに、時間が飛びさっていく。
でも。少なくとも、今この瞬間は、聡司があたしの横にいてくれているんだ。
沈んでいく夕日をみつめながら、あたしは幸せだった。
いつの間にか辺りは夕闇に包まれつつあった。
周りにいた観光客も潮が引くようにいなくなって、まるで世界にあたしたちふたりだけがいるような気がした。
「由佳・・・。好きだ。」
「聡司・・・。」
気付くと、あたしは聡司の腕の中にいた。