「聡司も勉強忙しいんでしょ?」
運転している聡司の横顔に話しかける。
ギアにおいている聡司の左手とあたしの右手はどちらからともなく、さりげなくつないでいる。
その手から、聡司の温もりが伝わってきて、あたしの胸が熱くなる。
「まあ、院は2年しかないからな。やることは山積みだよ。」
「ふ~ん・・・。」
かっこいい、と素直に思う。
すべてが、かっこいい。
その横顔も、その指も、その髪も、その声も。
あたしにとって、聡司以上の人なんていない。
聡司が一言答えるたびに、その言葉ひとつひとつがあたしの中に宝物として貯まっていく。