あたしは聡司をみつめて、
「私、進学しようかと思うの。」
と言った。
聡司はあたしの言葉に、居住まいを正した。
「本当か。・・・それはいい決心したね。どんな学科を受けるか決めたのか?」
「まだ、はっきりとはわからないけど、もっといろんなことを知りたくなってきて。今からじゃ間に合わないかもしれないし、そのときは1浪させて欲しいって、昨日お父さんに話してみたの。お父さんも、あたしが本気なら1年だけは浪人させてくれるって。なにしろ去年婚約してから、勉強は卒業さえすればいいって感じでやってたでしょ?受験レベルまでもっていくには時間が足りないもの。