「うん・・・。でも、本当のことを話してくれて、ありがとう。今あたしは、優也に・・・百合さんと幸せになってほしいと思ってる。」
「ありがとう。でも、それは、無理なんだ。彼女と俺は学生時代から付き合っていたんだが、その当初から彼女との結婚は無理だってわかっていたんだ。彼女は老舗の暖簾を守る義務がある。それは、恋愛とかそういう感情を超越したもので・・・。
俺も彼女と出会った当初は、そんな状況に憤慨していた。でも、彼女は生まれたときからそういう運命を背負って生まれてきたんだ。俺も、途中からそのことが分かったから・・・彼女との結婚はあきらめたし、あきらめ続けてる。」