「あの・・・また、遊びに行こう。」
あたしの耳がその言葉を捕らえたとき、あたしは耳を疑った。
おもわず、振り返る。
「えっ・・・」
「勉強の合間にな。」
聡司の視線はフロントガラスのほうにまっすぐ向いたまま、頬が少し赤く染まってみえた。
「うん!・・・きっとね。」
「6月の始めには蛍が飛ぶんだろ?俺東京が長かったから生で見たことないんだ。次は蛍を見に行こうか。」
聡司は少し照れて見えた。
「うん!」
「・・・例の件は、明日伯母さんに電話するよ。
じゃあ、連休明けに、勉強にいくから。」
「はい!頑張って予習しておきます!」
聡司は微笑んだ。
「じゃあね。」
「うん、気をつけてな。」
あたしたちは手を振って別れた。