聡司の横にいるだけで、幸せ。
聡司の引力。
強く、強く、あたしをひきつける力。
どうしようもなく、側にいたいと思わせる、強い力。
これが恋なの?
それとも愛?
初めての感情で、あたしにもわからない。
ただ、側に居たいだけ。限りなく近くに、居たいだけ・・・。
見慣れた町並み。
あたしが生まれてからずっと、見てきた風景。
それなのに、聡司が側にいるだけで、全てが変わる。
まるで、万華鏡のように。
全てが美しく、そして少し物悲しい。
せめて、好きだと一言伝えることが許されるなら。
でも、それはできない・・・。

今の状況で聡司にそれを告げることはできない。
妹の息子を娘が好きだと母が知ったら、どう思うかと想像すると・・・喜んでくれる自信が、あまりなかった・・・。
なにより、聡司が、あたしのことをどう思ってるのか、知るのが怖かった。