恋愛小説

１週間後、あたしは優也に電話した。
結婚は横において、付き合ってみようって。
優也は喜んでくれた。
お互い、若いんだし、しかもあたしはまだ高校生。
急いで結論を出すことはない。

でも、それから２人の関係はすこしずつ変わっていった。
まず、デートの最中に手を握られたこと。
優也の手は大きくて温かかった。
初めはそれだけでも、どきどきだったのに、
そのうちにそれが当たり前になったのには自分でも驚いた。

そして、生まれて初めてのキス。
夕暮れの観覧車の中で、キスされた。
優也によれば、あたしは彫像のように固まっていたんだって。
たった、１瞬のキスだったんだけど。

それからは、デートの度にキスをするようになった。
キスの回数が増えるのに比例して、あたしの気持ちは優也に傾いていった。
不思議なことだ。

そんな関係が１年近く続いた。
あたしの気持ちもだんだんこの人と結婚したいと思うようになっていた。

高２の夏。
ある日、優也が帰りの車の中で、キスを急に辞めて、あたしの顔をみつめた。
「由佳。もう我慢できないよ。・・・でも、親同士のつきあいもあるし、
俺も中途半端なことはしたくない。きちんと婚約してほしい。」
「うん、わかった。」
そして、あたしたちは、またキスの続きをした。