結 「なんか藤堂先輩、途中から様子おかしかったね。」



時 「楓の事、赤い顔でずっと見てましたものねぇ。どうします?楓。」


楓 「…えっ!?どうって…別に…。」



時 「あらっ?楓も満更でもないご様子ですねぇ。いつもなら、『ありえない』の一言で終わりですのに。」



結 「えっ!?楓が恋?まじ!?」



大学を出た三人はいつもの様に楽しく下校していた。



高校一年の時に出会い、共通の趣味があった三人はすぐに打ち解け、大親友になった。


学部は違えど同じ大学に進学した彼女達は学校近くに家を借り、一緒に暮らしている。ルームシェアってやつだ。




結 「にしても、私達以外にも幕末オタクっているんだね。この大学に幕末研究部があるなんて…どんな人達がいるのかな?楽しみ!」



時 「そうですわね。共通の趣味を持つ者たちはすぐに仲良くなれますからねぇ。わたくし達の様に。」



楓 「……藤堂先輩みたいな人ばかりならいいな…。」



結 「楓…やっぱり藤堂先輩のこと…。」



楓 「…えっ?違っ!好きとかじゃないし…なんか優しそうだし、話しやすそうって思っただけだし…。」



結 「私、好きとかなにも言ってないし。笑。」


楓は顔を真っ赤して俯いた。



結 「とりあえず、月曜日楽しみだね。」

時 「そうですわね。」

楓 「…うん。」