平 「誰からお願いしようかなぁ〜
じゃあ君から!」
平太は結子を見て笑いかけた。
結子はおずおずと立ち上がると、自己紹介を始める。
結 「えっと…櫻木 結子 です。神道学科一回生で実家は神社。一応、巫女見習いです。
私は…幕末の…特に新選組の大ファンです。強い信念を持ち、自らの命も省みず日本の人々の為に戦った彼等を尊敬しています。」
大好きな新選組について話し、つい夢中になってしまった事に気づいた結子は、恥ずかしくなり、頬を染めて座り直した。
平 「神道学科の子か…巫女ちゃんなんだね。よろしく結子ちゃん。
じゃあ次は君。」
時 「はじめまして。高木 時乃と申します。国史学科一回生です。
わたくしは…新選組も好んでおりますが、会津藩の皆様にも興味を持っております。会津の八重殿は素晴らしいお方、とても尊敬しております。」
おっとりとした口調で語ると、時乃はふんわりその場に座り直した。
平 「会津藩も素晴らしい人の集まりだしね。時乃ちゃんもよろしく。
じゃあ、最後の君。どうぞ。」
楓 「あの……岡江 楓です…。教育学科一回生です。
新選組好きです…よろしくお願いします。」
恥ずかしそうに小声でしゃべる楓を平太は切なそうにじっと見つめていた。
平 「…………」
そんな平太に気づき楓は小首をかしげる。
平 「こっこちらこそよろしく!」
ハッとした平太は楓に明るく声をかけるが、顔が心なしか赤い…
平 「じゃっじゃあ、今日この入部希望の紙に必要事項書いてもらうだけで、次の月曜日に集まりがあるから、それに来て。
その時他のメンバーにも紹介するね。」
結子達三人は紙に名前や連絡先を記入すると、軽く挨拶をして部室を後にした。