〜元治元年 7月〜
?「おい総司…まだ体調万全じゃないんだろ?稽古なんかして大丈夫かよ?」
総 「平助…うるさいですよ。寝てばかりだと、体がなまってしまいますからね。
さぁ左之さん……殺りますか?」
原 「ちょっと待て…総司……やるの漢字がちげぇし……。
あのなっ、饅頭食べたのは俺じゃねぇんだ…、」
総 「他に誰が…?」
原 「そっそれは……幽霊だよ!」
総 「左之さん………さぁ逝きましょうか。」
原 「ぎゃぁぁぁぁぁぁーーー」
かの有名な池田屋事件から数日後…
新選組の屯所には沖田 総司に追いかけられる原田 左之助の叫び声が響き渡っていた。
平 「はぁーーあの二人は…。」
? 「平助くん…。もう怪我大丈夫なの?」
追いかけっこしている二人を眺めていた藤堂 平助に一人の女の子が話しかけた。
平 「楓…大丈夫だよ。こんなのかすり傷だし!
楓の手当てのお陰でもう完璧に治ってるしな!心配かけてごめん。」
女の子は恥ずかしそうにはにかんだ。
楓 「ううん…平助くんが無事で良かった…。
じゃあまだ洗濯の途中だから…。」
新選組の女中である楓が仕事に戻ろうとした時
平 「楓危ないっ!」
その時、沖田に弾き飛ばされた原田の竹刀が楓に向かって飛んで来た。
………ばしっ!
楓は来るであろう痛みに耐えるため咄嗟に目を閉じた。
が、痛みはなく、恐る恐る目を開けるとそこには平助の背中が見えた。
平 「総司、左之さん!気をつけろよ!危ねえだろ。」
原 「わりぃわりぃ。おい、楓大丈夫か?」
総 「平助、見せ場ができて良かったですね。」
原田は楓に申し訳なさそうに声を掛ける。沖田は何故か黒い笑みを浮かべている。
楓 「平助くん……ありがとう。」
平助が振り返り、楓を見る。
その後ろには、干している途中だった浅葱色の洗濯物がはためいていた。
