「わかったわよ。戻ればいいんでしょ?」



せっかく、花輪を作ったのに。




私は花輪を持ち、庭を抜けた。





そして、大きな家の中へと重たい足取りで入った。





ここは、このあたりの街でも有名なハーベル財閥の家である。




そこに暮らして、早5年。





私は12の時に母と父を病で亡くし、祖母もいたが、面倒がみきれずどう意味か、ここに引き取られた。






引き取られた時に新しい父にこう言われた。



『お前もハーベル家の一人になったからには、その名を汚さぬようにしなさい』




それからというもの決まった時間に食事、勉強とかをして、一日を過ごす。





勉強もやる意味がわからず、抜け出しては庭で遊ぶ。





そんなつまらない事より、楽しい事をやった方がもっと人生がよくなるのに。