カードにはんこを押して渡す。
それだけだった。それだけの動作だった。なのに彼が帰った後も暫く、心臓は鳴り止まなかった。
もう引き返せないぐらい君にはまってしまったのだと気がつく。
忘れようとした感情はむしろ増すばかりで。
けして叶うことは無くても思い続けることは出来る。私が諦めない限り、彼との物語は続くはず。
静まり返った教室のなか、私は決意したのだった。