ゆきを



一人にすることが不安だった




あの子は



優しすぎるから





いつか



そのせいで自分自身の



首を絞めてしまうんじゃないかって





でも



もう、離れてしまうんだね



もう、あたしはあなたに関われないよ




これからはあたしたち




違うトキを過ごす




けど



ゆき




あなたなら



大丈夫





きっと




幸せになれる




そう



信じてるから




あたしが



願ってるから







あたしは男じゃない




ただの友達で



アイツの代わりになることはできないけど





でもあたしは



アイツよりゆきのこと


思ってるって





自信がある








あたしね




許せないんだ、須嶋のこと






アイツは



どれほどゆきを泣かせたら気が済むんだろう





だから、ほら




今日は卒業式だよ



この子が




泣かないなんて







悔しかった




だって



それでも




ゆきの握り返してくるその手も




真っ直ぐ前を見つめるその瞳も






もう、大人で






悔しかった



どんなにゆきを泣かせてるのが須嶋でも





あの




溢れそうなぐらいに綺麗な笑顔をさせていたのも





須嶋だったから







それでももう




あたしはアイツより



ゆきのことを想ってる




自信はある







ゆきのこと






親友だって、思ってる