「まぁ、確かにな。お前にとっちゃあ、裏切りの何者でもないのはわかる。
 たださ、いきなりで受け入れきれない……ってのもあるんだろう?」

「いきなりじゃなくても、あんなこと受け入れたくないしっ!」

「いい人かもしれないじゃん」

「いい人であってもダメッ! いやなヤツだったら、もっとダメーッ!」

「……ヤレヤレ。とんだ頑固者だな。今に始まったことじゃねぇけど」


 カツは、お手上げかのように、首を横に振った。


 だってしょうがないじゃない!

 こんなの、どうしたって嫌でしょう!?


 お父さんに……お父さんに……


 新しい彼女ってぇーーっ!!





 ――そんな衝撃の事実を突き付けられたのは、今から三時間前の朝だった。