廊下に並ぶなり――


「たくっ、話しかけるんじゃなかった。二学期早々廊下に立たされるなんて恥だぞっ」

「あたっ!」


 いったぁーい。カツが頭を小突いてきたぁ。傷心の私に対してヒドすぎやしない?


「だってぇ、お父さんがさぁ……」

「何でもかんでも親父さんのせいにすんなって」

「だってそうじゃん!
 教科書が破れたのも、こうして廊下に立たされてるのも、お弁当を忘れたのも、全部、全部、ぜーんぶ、お父さんのせいよぉーーっ! はぁっ、はぁっ……」


 はぁ。一気に言ったら息が切れた。


「……落ち着いたか?」

「全然」

「はぁー……」


 あ。またタメ息をつかれた。