「と、いうわけでぇ……これからも、末長ぁーくよろしくね! 咲・華!」


 私の怒りなどお構いなしに、ニッコリとよろしくされた。


「よろしくなんて誰がするかっ!! 私は絶対に断固反対っ!! アンタなんか、一生認めてやるもんかっ!!」

「一生認めないと言われても……いつか認めさせてみせますわよ。んふっ」

「なっ……んだってぇ~!?」


 余裕過ぎる笑みに、ぞっとする。

 この自信は何? ていうか、この状況をめっちゃ楽しんでるし!


「そっ……そんなの無駄だからっ! 無駄無駄!」


 押されがちな空気を振り払うかのように、真矢に言い返した。


「無駄じゃありませんわぁ。フフフ!」

「無駄ったら、無駄ぁ!」

「無駄じゃないったら、無駄じゃないですわよぉ」

「無駄無駄ぁっ!」

「……親父さん。もう、咲華の好きにさせてやろ……」

「ハハッ。そうだな、稼月君。真矢も楽しそうだし」



 ――こうして、お父さんの彼女・真矢に、振りに振り回される日々が今……始まろうとしていた。