「……え? 何やって……」
「先生の……旬の彼女はぁ、ワ・タ・ク・シ・よ! んふ!」
「…………………………はい?」
なんの冗談? お父さんのことを名前で呼んでるし。
いくら美少女でお嬢様でも、やっていい事と悪い事があるんだっつーの!
初対面だけど、ビシッと言ってやる!
「あのですね。冗談はやめてもらえませんか? うちのデリケートな問題ですので……」
「冗談じゃなくってよ。ホントよぉ!」
さすがにイラッとしたわ! 空気読めよ、このお嬢っ!
私は威嚇(いかく)するように、テーブルをバンッと叩いて立ち上がった。
「あのねぇ! こっちはねぇ、お父さんが取られるか取られないかの瀬戸際なの! お嬢様の冗談に付き合ってる暇はないのっ! おわかり!?」
食って掛かってしまいそうになると、カツに肩を掴まれて止められた。
「咲華、落ち着けって。お嬢様に振り回されてる場合かよ」
「だって、カツ。このお嬢がっ……
もうっ! お父さんも黙ってないで、先生らしくちゃんと注意してよっ! お父さんとこの生徒でしょう!?」
『この、バカチンがぁ!』とか言ってやれ! 江夏先生!

