お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)



「初めまして。ワタクシ、伊勢崎真矢(いせさきまや)と申しますわ。
 高等部の二年生で、生徒会の書記をしておりますの。
 江夏先生のクラスではないですけれども、社会科は教わっていただき、よく存じておりますわ。
 以後、お見知りおきをー」


 美少女は最後に「んふ」と、ニッコリ微笑んだ。


「……はぁ。伊勢崎真矢さん……ですか」

「えぇ」


 なんか、圧倒される。か弱そうに見えるのに、なんか勢いがあるというか……。

 これは、ただのお嬢様じゃなさそうだ――

 はっ! 忘れてた!

 今日のメインは、お父さんの彼女だ! キューピッドなんてしてる場合じゃなかった!

 カツ、ごめん。恋のキューピッドは、また後でしてあげるからね。