「んで? どこの何やってる人なの? その、親父さんの彼女とやらは」
え? どこの何やってる人?
「…………そういえば私、どんな人かとか、これっぽっちも聞いてないや。お父さんの彼女って、どこの誰だろうね? ハハハ」
笑ってゴマかしてみた。
「おいおいおい。何も聞かないで反対してたのかよ。せめてどこの誰か知ってから反対しろよ」
うっ……それもそうかも。私、聞く耳も持てなくて、ただ感情任せに反対してた。
で、でも――
「いっ、いいじゃん別にっ!どこの誰か知らないで反対しても!
それに、聞くよりも直接会って、どんな彼女かこの目で確かめないと気がすまないし!」
そうだよ。どうせ訊いたって、お父さんはいいところしか言わなそうだし。本性を見極めるには、直接会うのが一番。まぁどんな人でも、再婚は許す気ないけどね。
「え……会うの?」
「おうよ。会ってやるよ。どうしてそんな心配そうにするの?」
「いや……殴ったりしないかと思って……」
「うそ、カツったらぁ。『私が彼女に』殴られるんじゃないかと心配してくれてるのぉ?
やだぁ嬉しい。やっぱり持つべき者は、幼なじみだねぇ」
私、カンドーしたよー。
「違うっ!」
「え?」
違う? 思いっきり否定されたし。

