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 ここは、秋之山(あきのやま)高校、二年三組の教室。ただ今、二時間目の英語の授業中。

 中年太りの先生が、年相応の渋い声で英文を読み進めている中で、私・江夏咲華(えなつさか)は今――


 モーレツに、腹がたっているっ!


 あームカつく! マジムカつくー!

 だってさぁ、私の大好きなお父さんがさぁ……あんなことを言うんだよっ!?

 あ"ーーっ、やだやだっ! あんなこと、思い出したくもないぃっ!!

 こんにゃろぉーっ!!


 ビリィィィィ!!


 ……あ。しまった。教科書破いちゃった。

 しかも真っ二つに。あーあ……。