「それ、自分で言ってて悲しくないの?」
そんな哀れみの目で、私を見てこないでよ。
「別に。全然悲しくないし。だって本当のことだもん。
私はね、『黒髪もキリッとした顔立ちに似合っててー、勉強も運動もクールにこなす宮村君、ステキー』て、女子から言われるカツとは違うんですぅ」
「あっそ」
カツは私が言ったことに対し、相変わらず興味なさげにスルーした。
このカツは、ビックリするほどじゃないけど地味にモテる。ラブレターももらったことがあるし、告白もされたことあるし。
確かに見た目はいいかもしれない。けどこの人、あまり愛想がない。
もしこれで愛想が良かったら、もっと女子が殺到するかもしれないのにー。勿体ないなぁ……って、いやいや。それはダメダメ。殺到されても困る。カツのことで、私に妬んでくる女子まで殺到しちゃうから。
昔から妬みに慣れてる私でも、そうなったら手に追えなくなっちゃうよ。
「じゃあさ、もし……そんな物好きがいたらさ、どうするんだよ?」
「はぁ? 誰よ、その物好き。もし連れてきたら、お父さんの再婚を認めてあげるよ」
それほど、私が再婚を認める可能性が低いってこと。低いっつーか、無いけどね!

