「そんなこと言うけど、お前だってほら……いつか結婚する時がくるだろう? それで嫁にいってみろ。親父さん、一人ぼっちになるぞ」

「嫁になんていかないもん!」

「は……はぁー!?」


 即答した私に、カツは「信じられない」といわんばかりの声をあげた。


「私は、一生お父さんのそばにいるもんねーだっ」

「マジで言ってんの? 重っ」


 普段あまり表情を変えないカツが、顔を少しゆがませてる。

 これは、本気で引いてる顔だ。


「うるさいなぁ。例え私が結婚したくなっても大丈夫だもん。見た目も容姿も大したことないファザコン代表を嫁にしたいって物好き、この世にいませんから。なので、結婚できませんから」


 最後に「残念でしたー」と、つけ加えてやった。ははん。