お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)

*


「はぁ。マジでホントありえない」


 廊下で立たされている惨めさもプラスされて、私の心はますます沈んでいく……。


 大好きなお父さんに、いつの間にか新しい彼女。

 しかも、さっ……再婚したいだなんてっ!

 くぅー、辛いっ! 辛すぎるーっ!

 女子生徒にしかモテないと思ってて、油断したぜ!

 考えたら『大人の女性』だって、お父さんみたいなイケメン放っておかないよね。


「だぁーっ!」

「おいおい、そんなに髪を掻きむしったら、片側ポニーテールが崩れるぞ……あ、もう崩れてるか」

「放っといてよぉ!」


 散々掻きむしったあと、少し気が済んだ私は、ちゃんといつもの片側ポニーテールに結わき直した。