「あっ……ひょっとして、隣のおばちゃんがいつも持ちかけてくるお見合い話の中で、とうとういい人見つけちゃったんでしょう!」
強引なおばちゃんが、今日(こんにち)までに持ってきたお見合い話は数知れず。だからお父さん、その中でドンピシャな女性に出会ってしまったんだ! そんなぁー!
「いやいやっ! それじゃないんだ!」
「え? それじゃないの?」
それじゃなくて、再婚をしたい理由って……はっ。ま、まさかっ……
「お父さん? もしかして今……
彼女とか……いるの?」
聞きたくない。お父さんの口から『彼女がいる』だなんて。
どうか『いない』って言ってぇ!
「彼女って言われると照れるなぁ。
実は……そうなんだ……」
ガァーーーーーン……。
頭の上に『彼女』と書かれたデカイ岩石が、ゴーンと重くのし掛かる。
いた……いたんだ。
お父さんに彼女だなんて。
そんなの……全然知らなかったしぃーーっ!!

