「だからな、つまり……」
「うん」
「お父さんなは……」
「うん」
「その……さ……」
「さ?」
「さ……」
「さ?」
「さ、さ……」
「っ!」
だぁもうっ! イライラするーっ!
私がテーブルをバンッと叩くと、お父さんはビクッと跳ね上がった。
「あのさぁ! 『さっさっさっさっ』って勿体(もったい)ぶらないないでさぁ、もっとスラッと早く言ってくんない!?」
「わ……わかったよっ!
だからっ、お父さんはなっ……
『再婚』をしたいと思ってるんだっ!」
ふぅーヤレヤレ。やっと言ってくれたよー。
「ていうか何? 再婚だって? アハハッ、なぁーんだ!
『さっさっさっさっ』って口ごもってたのは、『再婚』って言いたかったのかぁ!」
なるほどね、再婚かぁ。やれやれ。そんなの、ちゃっちゃと言えばいいのにー……
んんっ?
(お父さんはなっ……『再婚』したいと思ってるんだっ!)
『再婚』……って、え? え? ちょっと待って、何だって?
(お父さんはなっ……『再婚』したいと思ってるんだっ!)
さっ……さっ……
「再こぉーーーーんっ!?」
その言葉を理解した途端、血管、動脈、心臓などが、ドクドクバクバクブルブルと激しく震え動き出した。
う……うそでしょーーーー!?
お父さんが!? あのお父さんが?
お母さん一筋・お父さんが!?
今……『再婚』って言ったよね!!?みんなも聞いたでしょ? 再婚って!
そんなのやだっ!!
やだやだやだやだやだぁーーっ!!
一体、どうしてよぉーーーっ!!

