隣に座る母さんの様子を伺うべく、横目でチラリと見たが、 いつもと変わらない様子なのか、ポケーっとしていた。 「…で、話ってなんだよ…倒産か?」 「違うわ!…いや、実は、な …転勤することになってだ、そのー…だから引っ越さないといけないんだ」 引っ越す?なんだ、 「それだけか」 「それだけって、お前……引っ越す先山んなかだぞ?」