裕未は意を決して徹に言う。



「徹…ひとつ聞いていい?」




徹は愛おしいものを見つめる目で裕未を見ている。



「何?」





「私は恋人をめった刺しにした殺人者で
あの男は刑事なの?」




張りつめた空気が室内に流れる。




徹はそっぽを向いて何も答えない。





時計の、カチカチという音が嫌に耳につく
そんな夜に、裕未は本当の自分と向き合おうとしていた。