「彩菜」


「んっ!?」


「これ都築さんとこに持って行って」


お母さんが持っていたのは、
さっき近所の人から貰った和菓子。


「ウチだけじゃ食べきれないからねぇ。
柊哉くん、和菓子も好きでしょ?」


「うん」


「あまり日にちがもたないみたいだから、
早く食べるように言ってね?」


「わかった」


お母さんも柊哉の好きなものは知っている、
それくらい長い付き合いだから。

それでも、そんな長い付き合いでも、
所詮は家族の様な感じでしかない、
それ以上は絶対に望まれない。

私たちの年齢の差が、きっと
そんな考え方にはならないんだ。
姉弟、その感覚がでしかないんだ。


なんか後ろめたいなぁ・・・


彩菜はそんな気持ちを母親に感じていた。