俺はこうして彩菜の笑顔のせいにして
最低な自分を隠すことにした。

今までどおりとは行かなくても、
普通に接して行こうと。


なのに彩菜は・・・


今日の朝も、こうして俺を部屋まで起こしに来て、
いつもと変わらず俺の上に馬乗りになりながら、
お色気全開の姿で俺を起こす!


これでどう普通でいろと言うのか、
もう、わけがわからない!


いや、でもこれではっきりした。


彩菜はあの夜のことを、
俺と一つになったことを憶えていない。

俺としたことも何も憶えてないんだ!


少しホッとした。 
けどなんだか寂しい気持ちもする。


それに罪悪感は消えない。
でもこのことは彩菜のためにも、
いや自分のために隠して行くんだ。


柊哉は天井を見上げながら、
一つため息を吐いた。