一時間くらい経っただろうか、
彩菜はまだ部屋には帰って来てない。


遅いなぁ・・・


けど、ホンマどんな意味の『好き』なんやろう・・・
俺のことを男として見ての好きなんやろか?
いや、やっぱりそうじゃなくて、
幼なじみとか、家族としての『好き』なんやろか・・・?


時間が経つにつれ、ころころと考えが変わってしまって
悲観的な方向へしか考えられなくなってくる。


さっきまで彩菜の様子が今までとは違う。
そう思っていたのに、
今はその変化さえも自信がなくなってきた。


「ああっ! どうなんやろう!?」


柊哉は両手で髪をぐしゃぐしゃっと掻いた。


すると、目の前にパッと明かりが差した。


「はっ!?」


振り返ると、彩菜の部屋に明かりが灯っている。


彩菜・・・


彩菜の部屋の明かりが柊哉の部屋を明るく照らした。