「はぁーっ・・・」


彩菜は一人、夜の河原で川の流れを見ていた。



何か嫌なことや悩んだ時はよくここに来ている。


柊哉とよく遊んだ思い出でもあるこの場所・・・

柊哉が中学生になった頃から、
あまり二人で来ることはなくなっていた。


だから最近は嫌なことがあった時や
悩んだ時にしかここへは来ていない。


ここには楽しい思い出もたくさんあるのになぁ・・・

今はこんな時にしか来ないよ・・・


彩菜はボーっと川を見ながら思い出す。


柊哉と遊んだり、たくさん話をしたこと。
部活に負けて一人で泣いたこと。
友達の恋の悩みに付き合って語り明かしたこと。


そして、お父さんが死んでしまった時、
毎日ここに来ては泣いていたこと・・・
そんな時は決まって柊哉が迎えに来てくれて、
私の手を引いて連れて帰ってくれた。
いつも私を探しては見つけてくれた。


柊哉・・・