◇◇◇◇◇


柊哉と出会ったのは中学二年の時だった。
あの時の私は大人しい性格で、
クラスでも目立たない存在だった。

それと正反対に、柊哉はクラスの人気者で、
柊哉のそばにはいつも人が集まっていた。


私はそんな柊哉を見て、私とは生きる世界が違う人なんだなぁと遠くから見ていたんだ。


いつでも前向きで明るい柊哉、そんな柊哉を見ていると、
私はいつの間にか少しずつ柊哉のことが気になり始めていた。


それは好きとかそうゆう感情ではなくて、
柊哉の社交的な、人懐っこい性格が羨ましかったんだと思う。


何故そんなに羨ましかったか、
それは私には柊哉みたいに口に出して言うとができなかったから、
そんなメンタルの強さがなかったからだ。
嫌なことも嫌とは言えない、そんな臆病者だったからだ。


柊哉みたいになれれば、誰も雑用を押し付けてこないはず。
私はそんな目で柊哉を羨ましいと見ていたんだ。