ピピピピピッ。


彩菜の部屋に目覚まし時計の音が鳴り響く。


彩菜は布団から力なく手を伸ばすと、
目覚まし時計を止めた。


「はぁーっ・・・」


もう会社に行く用意をしないといけないのに、
彩菜はベッドから起き上がれずにいた。


「柊哉・・・」



昨日は、あの後も泣き続けた私、
とても食事という状態ではなかった。
登さんはそんな私に呆れもせず、
泣きやむまで付き合ってくれて、
それから家まで送ってくれた。


登さんに酷いことをしたな・・・


自分の感情を隠せず泣いてしまうなんて、
情けない・・・


自分の愚かさに、そして登への罪悪感に、
彩菜は嫌悪感に陥っていた。



こんなんじゃダメだ。
これじゃあ登さんに申し訳ない。
ちゃんとしなきゃ。


私は重い体を起こし、会社に行く用意をした。