まあ、ここ最近はそんな物騒なことはほとんどないけど、観光客で賑わっていたときはそれはもう色々、語り尽くせないほどに怖いことも変なことも山程あったわ。

それを一つもbleu de jardineに入れずに守りきったの。すごいでしょ?

そんじょそこらのホームセキュリティなんか子供騙しに思えるクオリティよ。

ここの平和を護るのが私の仕事で、平和が続くbleu de jardineの姿が私の生きざまそのもの。
港から見上げると、いつだって誇らしい気持ちになるわ。



黒猫が入った後は人の出入りもなくなるし、比較的ゆとりが出来るの。

そんなときは何をしているかっていうと、朝、背を向けていたbleu de jardineの内側を向いて、道行く人達とお話をするの。
大人から子供まで色んな人と。

bleu de jardine中でどんなことが起こっているのか、面白いことはないか、中の動向を知るのも立派なお仕事ですもの。


あとは……あたしはここから動く訳にはいかないから。

一度もbleu de jardineの中に行ったことがないから、どんな様子なのか言葉でだけでもいいから知りたいの。


あたしは門番だもの。仕方ないわ。