あたしの名前はレディ。

レースが沢山あしらわれた純白のシルクのドレス。

プラチナブロンドのふわふわの巻き毛、エメラルドグリーンの澄んだ大きな瞳。

透き通るような白い肌にはそばかすなんて見当たらないの。


まさにレディ(貴婦人)の名に相応しい容姿でしょ?


とはいえ、あたしは深窓のお嬢様みたいな退屈な生き物じゃないのよ。

私には大事な大事なお仕事があるの。

この幻想郷「bleu de jardine」の港の門番っていうお仕事がね。

一日中、港の中と外を分ける門扉の前で仕事をこなすの。

特に忙しくなるのは朝、港に黒猫がやって来たときね。

一日に一本しかないとは言え、降りてくる乗客はかなりの人数で、その人達の中に怪しい人間はいないか、変なものを持ち込んだりしていないか全部チェックしないといけないんだから。


因みに、そんな人間を見つけたら即効扉を閉めてbleu de jardineの中には絶対に入れさせない。