『何見てるの?

 それに……私、知ってるんだから。

 入院したその日から、
 君は一切治療してない。

 拒絶して、迷惑かけて。
 それでも……ちやほやされて。

 甘えないで!!

 託実くん、君は幸せじゃない?

 やりたいことを少しでも経験して
 楽しい時間を過ごしてる。

 手術したら治るんでしょ?

 だったら早く治して、
 ここから早く出て行きなさいよ。

 私に平穏な時間を返してよ。

 
 私は……どれだけ治療を続けても、
 手術を頑張っても、
 自由に慣れない、一時的に症状を緩和させるだけ。

 どれだけ頑張っても、自由に慣れないの。

 だけど君は違うでしょ』




言うつもりなんてなかった。

吐き出すつもりも、晒すつもりもなかった。



こんなにもドロドロとした、
私の闇色に支配された心を
知られたかったわけじゃないのに……。