そこには三校の生徒総会メンバーが勢ぞろいの上、
昨日会ったばかりの怜さんの姿があった。


輪の中心に居るのは、一綺兄さんや裕真兄さん。
学院祭前だから、兄さんたちは運営準備が優先なのか……。


そんなことを思いながら、その部屋へと入り
ゆっくりと膝を折った。


学院のトップ、生徒総会メンバーに対する一般生徒の儀式。
俺の隣には、デューティもまた同じように膝を折る。


正面には、三校の生徒総会の長になる、昂燿校の最高総と最高総補佐。
その両脇には、悧羅校と海神校の最高総と最高総補佐が立つ。

その両サイドには、役員に連なる存在が順に見守るように視線を向けた。


居心地悪すぎ。
何の拷問だよ……。



「神前悧羅学院祭において今年、昂燿校の生徒たちが中心に結成した
 SHADEに対して演奏の機会を頂き、この場を持ちまして感謝申し上げます。

 SHADEの演奏に際し、後数名、前座として発表の場を頂きたいバンドがございます。
 俺が選んだメンバーで演奏する、その日限りの特別メンバーでの演奏。
 
 そしてまだ若手ばかりですが、この先に続く未来へと最初の一歩を踏み出して欲しい存在」



そうやって、怜さんがゆっくりと膝を折ったままで話し続ける。



「生徒総会側が、学院祭の中でSHADEの演奏枠として準備したのは二時間。
 その二時間の間でしたら、怜の思う様に使っていただいて構いません」


昂燿校のトップを務める、三杉竣佑【みすぎ しゅんすけ】の隣に立ち、合図をしあった後に
紺野KINGがゆっくりと告げる。


「有難うございます。
 それでは、これより申し上げるメンバーを
 学院祭当日、SHADEに関わるものとしてご登録お願いします。

 昂燿校 和泉智早(いづみ ちはや)。
 同じく昂燿校 廣瀬紀天・瑠璃垣伊吹。
 悧羅校 宮向井隆雪

 最後、悧羅校 亀城託実」


怜さんによって告げられた名前のなかには
俺の名前も入っていて……、動揺を隠せなかった。


その瞬間、名前を呼ばれた五人のメンバーの成績表が
白壁に投影される。



おいおいっ、いきなり過ぎるだろ。

けど成績だけで言えば、
両手の範囲の成績はキープしてるから問題ないか……。


勉強だけでもやってて良かった。
これで成績悪かったら、洒落になってないって。