視聴覚室

 意を決して、私たちは誰も居ないはずの教室に「失礼しまーす……」と声をかけながら扉を開けた。


 ひやりとした空気が頬を撫でる。

 かび臭く、ホコリが舞う室内は長年人が出入りしていないことを示していた。

 締め切られたカーテンの隙間からこぼれる外からの光が、暗闇に幾筋も伸びている。


 暗いながらも、目を凝らせば室内は見て取れた。

 天井からは等間隔にブラウン管のテレビがぶら下がり、合計で六つ。

 机は備え付けでなかったためか、後ろに片されていた。

 残されているのは一番前に設置してある教壇だけだ。


 それよりなにより。このダンボールの山はすごい。

 おそらく端から置かれていったのだろう、今では教室の真ん中より手前まで押し迫っていた。

 一応、人が一人通れるだけの空間は確保してあり、雑然というよりはちゃんと整理されていた。

 ダンボールの山に整理という言葉は可笑しいかもしれないけれど。



 江口先生から手渡された配置図には、入口とは対角の場所に丸印がついていた。

 年月日はダンボールの横に書いているらしい。

 それと合致するものを探し出せということか。



「まずは電気電気……と、あれ?」