視聴覚室

 思いっきり不自然な笑顔を作って、私は洋子の手をぎゅっと握る。

「怖いに決まってるじゃん。でも、大丈夫。私は絶対負けないから」

 私がそう言い切るものだから、洋子は小首を傾げて眉根を寄せた。


「ひとつ聞きたいんだけど、家に帰ってきてから変な現象は起きてない?」


 霊障、というのだろうか。

 洋子は何かにつけて例の女生徒幽霊に接触されている。

 携帯も当然触られた可能性があるし、ご丁寧に顔までお披露目してくれたのだ。


 よく聞く心霊話だと、そういった霊が家までついてきて……というお決まりパターンがあるはずだ。

 けれど、それはなかったんじゃないかと私は確信していた。


「そういえば……特にこれといってはない、かも……」


 やっぱり。私は力強くうなずいた。


「たぶん、だけど。あの幽霊って学校から出られないんじゃないかって思うの。私だってあの幽霊と携帯繋がったけど何にも起こらなかったし。

だから、調べてみる。もちろん、乗り込んで行く時には一緒に来てもらうからね? 何かあったら、私が守るから」


 そこまで言って、洋子がやっと頬を緩ませた。


「理香が男だったら、私、確実に惚れてたかも」