鍵盤楽器じゃなければ、叩くタイミングのみを記された譜面。
メトロノームも極力使わない方がいいだろうから、それこそすることは皆無に等しい。
「で、まさか私一人が犠牲になれってわけじゃあないでしょうね?」
「わかってるよー。私も行くから、ちょっと待ってて。リード片づけてくる」
洋子の後ろ姿を見送ると、私も一旦鞄を置きに部室へと足を運んだ。
校舎内に三時限目を告げるベルが鳴り響いた。これから普通科(と二年、三年)は最後の期末テストが始まるのだろう。
静まり返った廊下を足早に歩く。
職員室は二年校舎の二階中央に位置する。ちなみに音楽室は技能校舎の一階の端っこ。
一度技能校舎と二年校舎の境界部分まで行くと、扉をくぐって薄暗い階段を上った。
二階に辿り着くと、まず目に飛び込んでくるのは「開かずの間」もとい「開かずの教室」。
創立百年はゆうに超えるこの高校では、使い道がなくなってしまったのだろう。
扉の上には薄くなった文字で「視聴覚室」と書かれている。
メトロノームも極力使わない方がいいだろうから、それこそすることは皆無に等しい。
「で、まさか私一人が犠牲になれってわけじゃあないでしょうね?」
「わかってるよー。私も行くから、ちょっと待ってて。リード片づけてくる」
洋子の後ろ姿を見送ると、私も一旦鞄を置きに部室へと足を運んだ。
校舎内に三時限目を告げるベルが鳴り響いた。これから普通科(と二年、三年)は最後の期末テストが始まるのだろう。
静まり返った廊下を足早に歩く。
職員室は二年校舎の二階中央に位置する。ちなみに音楽室は技能校舎の一階の端っこ。
一度技能校舎と二年校舎の境界部分まで行くと、扉をくぐって薄暗い階段を上った。
二階に辿り着くと、まず目に飛び込んでくるのは「開かずの間」もとい「開かずの教室」。
創立百年はゆうに超えるこの高校では、使い道がなくなってしまったのだろう。
扉の上には薄くなった文字で「視聴覚室」と書かれている。
