視聴覚室

 メグミの言っていた不思議体験が、昼食後部内にあっという間に広がった。

 それだけではない。

 メグミと同じようなものを見た、という目撃証言も数人出てきたのだ。


 そうなってくると、話は簡単には済まされなくなる。

 怪奇現象の一つもなかったこの学校で、今まさに不可思議なことが起こりつつある。

 それは何故か。アレは一体なんなのか。


 夏休み中は技能校舎を独占する吹奏楽部としては、オチオチ練習すら出来なくなってしまう。

 怖がって練習に来たくないと言い出す者もいるだろう。

 一年から三年をひっくるめて騒ぎ始めた時、江口先生が能天気な発言をしてしまったのだ。


「ああ、視聴覚室って生徒の間では『開かずの教室』って呼ばれてたんだったな。ばかばかしい。先生、この前入ったが何にもなかったぞ。なぁ、篠崎? おまえもそうだろ?」


 ずっと沈黙を守っていた洋子に突然降りかかった災難。

 顔を青くさせていたところに、部長の前田先輩と副部長の長谷川先輩が洋子へ手厳しく言い放った。