一年の校舎から西へ二つ、同じような校舎が続く。

 一つ隣が三年の校舎。

 その向こうが音楽室や家庭科室、商業系も抱える学校ならではのコンピューター室や情報処理室などが入っている技能校舎。

 二年の校舎は、その三つの校舎を繋ぐ架け橋の役割を果たす。

 校舎の全体像は、真上から見るとカタカナのヨに似ていた。


 校舎と校舎の間には小さな広場が設けてあって、目の保養になる程度の緑と、ベンチがいくつか。自販機が置かれてあった。



 テスト終了後、担任の谷先生が「部活の関係で学校に残る者は、騒いだりするなよ」と釘を刺したものだから、大抵の生徒は外へと出ていく。


 私は笑顔に満ち溢れた同級生たちを恨めしそうに見送ると、すごすごと音楽室へと歩いて行くのだった。