視聴覚室

「まだ江口先生もいるし……。あそこ、普段は使われていないんでしょ? たぶん先生がそのまま持っていそうな気がする」

「じゃあ、また先生についてきてもらおう? 昼間手伝ったんだしね」


 笑っていうと、洋子の頬が緩んだ。ほっとしたような表情だった。



 お互い帰り支度まで整えると、ちょっと待ってと洋子に声をかけ、私は慌ててまだ部室に残っていた先輩に声をかけた。


「すみません先輩、お先に失礼します」

「お疲れ! 可愛い女の子は、夜道気をつけなきゃダメだよー」と高志先輩が笑った。先輩はパーカッションリーダーだ。


 踵を返して洋子のもとへ行こうとしたが、そういえばと足を止めた。


「先輩、知ってたら教えて欲しいんですけど」

「なになに?」


 人懐っこい笑顔で近寄ってくる高志先輩。

 陽に焼けた黒い肌と、たくましい腕が先輩のチャームポイントだとか。

 確かに、魅力的ではある……のかな?



「視聴覚室の電気のスイッチって、どこにあるか知ってます?」


 江口先生が、早速そのことを他の先生に聞いたかは疑わしかった。

 三年生である高志先輩なら、知っているかもしれない。