視聴覚室

 結局あの後、おぉ、見つかったか? と能天気な笑みを浮かべてやって来た江口先生を張り倒し……たい気持ちを押さえて、例の髪の毛のことを伝えた。


 怖いから入りたくないと駄々こねる私たちを見て、先生は小馬鹿にしたように笑う。


「おまえらもカワイイところがあるんだなー。どれどれ、ああこれか。髪の毛のようだが、糸にも見えんこともないな」


 洋子と同じように椅子の上に立った江口先生が、冷静に解説する。


「先生、取ってくださいよー」と泣きの入った洋子の言葉に、先生はうーんと唸った。


「こりゃ、がんじがらめだなー。なんだってこんなところに……。じゃあ、ここのカーテンはこのままでいいじゃないか。先生がいたら怖くないだろ? ん?」


 気持ち悪さはあったけれど、確かに大人の男の人が一人いるだけで十分心強かった。


 探し物は例のカーテンから一番遠い場所。対角に位置するのだから大丈夫。

 そう自分に言い聞かせて、私たちは足早に先生の後を追った。



 少しばかり時間はかかったが、三時限目の終了を告げるベルが鳴り響く頃には目当ての物も見つかって廊下に出ていた。


「そういや、なんでカーテンなんか開けたんだ? 電気をつければいいだろう?」


 音楽室に三人並んで向かいながら、隣を歩く私に問いかけてきた。