「え…」 「いつまでアキって呼ぶつもりだよ」 アキの、むすっと拗ねてるような顔。 可愛いって。 不覚にもそう思った。 ―――今までは。 けど、今は『可愛い』って気持ちよりも、『ドキドキ』してて。 「…だって、アキの方が可愛い…」 「俺、男なんだけど」 「…うん?」 「…男に可愛いとか、マジ最悪なんだけど」 そう言いながら彼の手はあたしに伸びてくる。