「止めてよ!あたしがそう言ってんだから―――…」
「もう聞かねえ」
「は?!」
「俺は、正攻法でお前を掴むから」
何を言ってるのか、さっぱり理解できなかった。
「俺は奈帆の言う“アキ”じゃない。アキは、俺であって、俺じゃない。」
「どういう…」
確かに昔はこんな記憶あまりないけど、あたしの言うこともちゃんと聞いてくれる男子が転校してから寂しいななんて。
そんなこと思っていた。
そしたら…あれ。
「奈帆が“アキ”みたいな方が好きだから。だから、アキを演じていただけだ」
「…じゃあ」
「俺はこっちが本性だ」
そうだよ。
何で気付かなかったの。

