なんて弱いんだろう。

もしも、『俺は菜穂ちゃんの事好きじゃないよ』なんて言われたらなんて思ったら、言えなかったんだ。
あたしは好きでも、アキはあたしの事なんて好きじゃないかもしれない。

そんな不安の中、こうやって1年ちょっと付き合っているけれど、正直、辛い。





「…っもういい!アキのバカ―――っ!」





そう言って、私は飛び出し、隣の自分の家に帰ってきた。

キスしたくないなら、そう言ってよ。
じゃないと、辛いじゃんか。





「…っく、ひっく…」





嗚咽を漏らしながら、ベッドの上で泣く私。


惨めだ。
…あたしが悪いのに、どうして。
どうしてあたしは、アキにばかり押し付けているんだろう。

そんなことも、ちゃんと分かってた。
でも、『あたしに非はない』って、そう思いたかったんだ。

悪いのは、アキだって。


でも違う。
あたしにも非があるのに。

何であたしは素直になれないんだろう。
可愛くないんだろう。